かんぶつ・乾麺の専門商社が食品表示管理士を活用(前編)
100 年を超える歴史と実績を持つ、農産・海産乾物、乾麺の専門企業、下田商事株式会社。同社では「食品表示管理士」制度を積極的に活用し、自社ブランドをはじめとした取扱商品の適正表示の確保、営業や販促に努めている。自らも受検し「S検」の管理者も担当する下田英一代表取締役会長と、受検に臨まれる各部署の従業員の皆様にお話をうかがった。
下田英一・代表取締役会長

私どもでは食品表示を非常に重要なものとして捉えています。食品の卸売だけでなく、「カネニシキ」という自社ブランド商品を開発しており、メーカーとしての側面も持ち合わせており、表示に関する責任を負っています。本を読むなどして学ぶこともできるでしょうが、それが正しいかどうかを確認する機会として、この食品表示管理士検定が適していると考え、社内でも多くの受検を、という思いを抱きました。
食品表示管理士は、現在のオンライン受検になる前、集合での対策講習会と、会場でのペーパー試験形式のときから活用しています。振り返ればリアルの良さもありましたが、感染拡大による中止期間を経て、オンラインのシステムに移行し継続していただいたのは良かったですね。チャレンジする級ごとのテキストがダウンロードできるようになりましたし、3 回まで受検できるようになったのも、知識を身につけるきっかけ、手段として適しているように思います。2年ごとの更新制度があり、資格を維持するために頻繁な法改正をその都度学べる、アップデートの仕組みがとられているのも、ありがたいです。
スーパーマーケット様向けの検定ですが、当社にとっては親和性の高い内容と感じます。スーパーマーケット様が重要なお取引先様であるのはもちろんですが、当社が扱う商品のうち豆類などは生鮮食品に分類されますので、生鮮の品質表示基準なども習得しておく必要があるからです。
従業員には、検定の制度を紹介し、自発的に取り組んでいただくようにしていますが、商品開発に携わる方には、ぜひ受けましょうと促しています。費用は会社で負担しています。受検のタイミングは個々の判断に任せていますが、だいたいが期間内ギリギリに受けていますね。私が理事を務める日本かんぶつ協会の「かんぶつマエストロ」も、同様に取り組みを推奨しています。
MD事業部・海野綾香さん
今回はじめて「食品表示管理士」の案内を受け、初級を受検することになりました。部署で取得していないのが私だけで、プレッシャーも感じます。まずはテキストをダウンロードして、開くところから始めました。まだ受検期間がありますので、じっくり取り組もうと思います。
業務で携わる商品以外の表示も学ばなければなりませんが、食品ですので、普段の生活にも関係する、親しみやすい分野だと感じます。もともと食品に関心がありましたし、受検することが決まってからは、商品の裏面をさらに良く見るようになりました。店舗を訪れた際も、視野が広がったように思います。
現在、当社が扱う商品の POP を作成する部署におりまして、表示や文言に気を遣いつつ、差別化が図れる内容を実現することに苦心しています。置いていれば売れるという商品ではありませんので、販促が重要な役割を担います。データを提供する以上、細心の注意を払い、法的な制限の中で差別化を図り魅力を伝えることが課題です。検定以外でも学ぶ機会を得られればと考えています。
MD事業部・市川麻美主任
前回、初級の資格を取得しました。名刺にも「食品表示管理士 初級」と記載しています。お客様から商品に関するお問合せを直接受けることもあり、より適切な情報をお伝えできるようになりたいと考え、今回は中級の検定にチャレンジします。

テキストをプリントしてみたところ、厚みが初級の比ではなく、圧倒されました。初級の受検時にはテキストを業務時間外に少しずつ読み進め、業務で得た知識と合わせて合格できましたが、中級はさらに深く掘り下げ、新しいことを学べるチャンスとして、時間をかけて取り組もうと考えています。オンラインで、自分のタイミングで受検できるのはありがたいですね。
一括表示や栄養成分表示の作成、アレルギー特定原材料の改正対応など、お客様に安心・安全な商品を提供するため、しっかりと食品表示を学ぶことの重要性を、受検を通じて改めて実感するようになりました。個人でも受検できるそうですので、ぜひおすすめしたいです。