幅広い視野の育成と不公平感のない人事制度に

S検導入事例/富士シティオ株式会社様

「S検」をご導入いただいている会員企業様は、採用のきっかけや、どのようにご活用いただいているのでしょうか?
今月号、来月号では、正会員の富士シティオ株式会社様でのインタビューを紹介いたします。実際に受験された従業員の皆様、そして「S検」を組み入れた、働く人にも納得感のある人事評価制度の確立を目指す、同社の取り組みについてお話を伺いました。

若手のモチベーションとより幅広い視野でのステップアップを狙って評価制度改定

1952 年に創業、神奈川県を中心に「FUJI」「デリド」などスーパーマーケット約 50 店舗を展開する富士シティオ株式会社様。「三方よし」の理念で「地域に温かなふれあいの場を提供する生活提案産業として、地域に住む人々の生活に役立つ企業でありたい」を実践し続けていらっしゃいます。
横浜・日本大通りの同社本部にお伺いし、「S検」を導入されたきっかけと、人事評価制度の仕組みについて、太田実・能力開発課課長にお話を伺いました。

太田実・能力開発室能力開発課課長

一昨年、若手のステップアップを重視した、人事制度の改定を行いました。ステップアップの段階を明確にして、モチベーションを保ちながら、将来どのようなポジションになっても、スキルや能力を発揮していただけるように、という教育体系を目指しました。そのひとつとして「S検」を取り入れることにしました。

以前は、独自の「SA(サービスアドバイザー)試験」というものを実施していましたが、部門別に難易度の格差が出てしまう、同部門でも年度によって難易度が異なってしまうなど、従業員から不公平だという声もありました。公平性と納得性を求める中で、幅広い分野から出題される「S検」を導入しました。
当社では「マネージャー」という職位があり、新たな制度では、部門の責任者にあたるマネージャーへの昇格要件として、「S検」のベーシック 1 級とマネジャー 3 級を受験していただきます。
当社では「S検」の受験に必要な要件を 3 つ設けています。ひとつめは「業務習得チェック表」で、部門担当者の業務を全て習得していること。2 つめは「意欲態度評価 17 項目」。3 つめは「上長による能力評価」です。この 3 つが揃って「S検を受けてください」という案内を人事から出す流れです。ただし、昇格は「S検」の合否だけで決めるわけではなく総合的に判断し、昇進会議によって決定します。
なお、当社では「S検」受験者を 1 か所の会場に集め、1 回限りの受験で合否判定を行う運用として活用しています。

S検をきっかけに担当部門以外の知識も身に着け、全体を見渡すように

実際に「S検」を受験された従業員の方にもお話を伺いました。
新たな人事制度になって最初の合格者の一人となった綿引彩華さんは、入社 6 年目。上大岡店、野庭店でグロサリー部門を担当した後、本部の商品事務課に配属となったそうです。

マネジャー3級に合格
商品事務課 綿引彩華さん

以前、当社が実施していたSA試験は部門別の問題だったので、当時担当していたグロサリー以外の問題は出ませんでした。『S検』は自分の配属された以外の部門の出題も含まれているので、新たに知識を身につけたり、改めて知識を見直したりする機会になりました。今後、スーパーマーケット全体を管理する立場を任された際にも、役立つ内容が出題されていると感じます。
当社では試験実施の約半年前に、受験者にテキストが貸与されます。毎日寝る前に、テキストを読み進めました。
第 2 部の計数は得意分野ではないので、社内で開かれる対策講座を活用し、勉強に注力しました。入社 5 年目までは定期的に研修もあったのですが、もっとしっかり身に着けておくべきだったと痛感しました。受験という目標ができたことで、勉強にも前向きに取り組めました。
新しい人事評価制度は、以前より細かい役職制度になり、若手のうちからステップアップが目指せるものと感じます。

当協会機関誌「セルフサービス」取材より
次号も、富士シティオ様での「S 検」活用事例をご紹介します。
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